ブックタイトル工連ニュース2020年1月号

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概要

工連ニュース2020年1月号

小規模製塩業者向けイオン交換膜法による海水濃縮装置の紹介 工業技術センターでは、宜野座村に立地する有限会社エム・ティー・シーと平成30年度ものづくり基盤技術強化支援事業において、県内に多く立地する小規模製塩業者向けイオン交換膜法による海水濃縮装置の開発を共同で行いました。今回は、この装置の開発内容についてご紹介します。 工業技術センターは、県内製造業への技術的支援を通して産業の活性化に貢献することを使命として事業に取り組んでいます。「製品の開発に関して技術的なアドバイスがほしい」、「製品の品質を上げたい」、「研究開発の支援がほしい」などの技術課題解決や新製品・新技術開発の支援が必要な場合にはお気軽にご相談下さい。沖縄県工業技術センター 企画管理班〒904-2234 沖縄県うるま市字州崎12番2 TEL:098-929-0111 FAX:098-929-0115       E-mail:kousi@pref.okinawa.lg.jp(メルマガを始めています。申し込みはHPからも行えます)       ホームページ:http://www.pref.okinawa.jp/site/shoko/kogyo/index.html入浜式塩田流下式塩田平釡濃縮RO(逆浸透)膜濃縮はじめに 沖縄県内の製塩業者では、入浜式塩田や流下式塩田等の自然エネルギーを利用した方法や、釡を使用した熱エネルギーを与える方法等で海水の濃縮を行っています。これらの手法は、天気等の自然環境に影響されることや、大量のエネルギーを消費する問題を有していることから、塩を生産する際の海水濃縮の効率化が求められています。国内大手製塩業者では、イオン交換膜透析装置を使用して海水の濃縮を行い、食塩が大量生産されています。今回、県内小規模製塩業者において適用可能なイオン交換膜透析装置の開発を行いました。県内製塩業者向け海水濃縮装置とは?これからの取り組み 県内の製塩業者の多くは、沖縄の海水をそのまま煮詰めることにより、海水中に含まれるナトリウム以外の成分(マグネシウム,カルシウム,カリウム,等)を多く含む塩の生産を行っています。しかしながら、国内でイオン交換膜を用いて濃縮を行っている工場では、ナトリウム純度の高い海水濃縮が行われ、ナトリウム以外の成分の少ない塩を製造しています。 そこで県内製塩業者向けに、ナトリウム以外の成分も残した状態で、海水の濃縮が効率的に行えるイオン交換膜を利用した海水濃縮装置の開発を行いました。これにより、これまで同様の成分を持ち、効率的に海水を濃縮できるようになりました。県内製塩業者における海水濃縮方法例開発したイオン交換膜法による海水濃縮装置外観 県内の製塩業者で実用化するための装置の長期的安定性や膜寿命に関しての実証試験を行っています。今回開発を行った海水濃縮装置のご利用を希望する方は、是非お問い合わせください。(環境・資源班 中村)海水濃縮装置の能力生産かん水濃度生産かん水量総かん水量海水利用率電力量20±3%約15L/時約60L(4時間稼働時)40%約10kWh23 OKINAWA INDUSTRIAL