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概要

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 そのほか、時代のニーズに合わせた製品として、近代的な都市の表情を作り出すカーテンウォール、ユニークな設計、建築を可能にしたR曲げ加工、快適なビル内空間を作り出す縦軸回転窓や排煙窓など、特殊技術を駆使したアルミ建具の開発も行っています。 代表取締役社長の呉屋良和さんに話を伺いました。 「私は昭和59年に入社し、ずっと工場畑。副社長を2年務め、この4月から社長ですが、まだ昨年度の仕事が落ち着きません(笑)。今日は固い話は無しにして、『信頼づくり』についてお話させてください」と優しく笑います。 「その前に、今の現状としては真っ先に『人材不足』。日本全国を見ても高齢化が進んでいるので、弊社もどの部門も人材は欲しいところです。以前に比べると求人への応募者数が減ってきている。どの業界も同じ傾向が見えるのでは。弊社は60歳定年制ですが、次なる人を育てたい思いがあり、後輩が育つまでは雇用を延長させてもらっています。現在の従業員の最高齢は69歳。ゴルフは僕より飛ばす方なので、目標となる先輩が私の前にいて、非常に良い刺激になっています」と目を輝かせます。「仕事で大切なのは、人と人との関わり。従業員だけでなく、協力会社、お客様などに接する時も一緒。『信頼関係』が何よりも大切です。」 いつでも相談できて、分からないことを聞ける上司や先輩、仲間がいることー。 いつもの何気ない人間関係の様子がいつの間にか会社の社風になり、「おのずとお客様にも伝わる」と呉屋社長。何よりも社員づくりに力を入れてきた背景が浮かび上がってきます。 今までも、社内報や外部の経営コンサルのアドバイスを取り入れて積極的に社員教育の改善を図り、「デミング賞」を受賞してきました。デミング賞とは、日本科学技術連盟により運営されるデミング賞委員会が選考を行う経営学の賞。総合品質管理(TQM)の進歩に功績のあった民間団体および個人に授与されるもので、沖縄県内資本企業では初めての受賞となる快挙を成し遂げました。 信頼づくりに何よりも先陣を切る呉屋社長ですが、「いい技術を持っていても、コミュニケーションがなかったら信頼がなくなる。信頼は、築き上げるのは時間がかかるが、壊れるのは一瞬。本当難しいものです」と苦笑いします。 呉屋さんが代表取締社長に決まってからは、従業員全員が参加する月1回の朝礼は、ユニフォームの着用が義務付けられました。さらに請負の協力会社にも朝礼への参加を呼びかけているところ。「1人が皆のために、皆が1人のために」という感謝の思いが感謝を生みだすと、確信しています。 「いつかは会社の『壁』を取り除きたい。実際の壁のほか、人間関係の壁、男女の壁、部門の壁など、課題は山積みです。気持ちいい挨拶ができる関係、お互い意見をぶつけられる関係が潤滑油となって、更なる会社の向上につながるのですが、なかなかうまくいかない。従業員より『目も合わさない、挨拶もしない人がいる』という声が上がった時もありました」と苦笑いします。 そんな声に押されながら特に社内改革を進めたのは、「W20」という数値目標。グループ会社で女性管理職の割合を20%に引き上げる「W(ウイメンズ)20」という意味を示すのですが、現在18%を達成。 「女性を優先に研修に行かせると、男性従業員から『男性は?』と言われる。難しいものです。『W(わがまま)20』と皮肉を言われることもありました(笑)。女性は仕事の外に子育て等が待っているので、なかなか女性の管理職は難しいと言われてきましたが、女性の管理職登用に関して社内からの抵抗がないのは良い風潮と評価しています」。ドアのデザインを女性に任せて社内表彰をされた事もありました。研修で他社のショールームを見に行かせるなど、日々の業務の参考になって欲しいと呉屋社長。 「いま沖縄はミニバブル期。我々の業界もどんどん本土の大手会社が入ってきていて、どの会社も『生かさず殺されず』という緊迫した局面に入っていると思います。でもだからといって、お客様には『うちだけを買って欲しい』とは思わない。我々のような小さな会社ができることは、小さな物件から大きな物件まですぐ真摯に対応すること。客からの信頼は、これに尽きます」と熱く語りました。1人が皆のために、皆が1人のために。感謝がさらなる感謝を生む5 OKINAWA INDUSTRIALFEDERATION NEWS