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概要

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ものは無いと言って良いくらいに周知商標となっていました。そのため、パン屋には、どのメーカーの商品であるか不明の油漬けマグロをパンの間に挟んだ「シーチキンサンド」と称するサンドイッチが現れ、寿司店には同様にこれを海苔で巻いた「シーチキン巻」と称する商品メニューが現れたりするようになり、更には、日本を代表する国語辞典である岩波書店発行の広辞苑には「シーチキン」が普通名称として掲載されるに至りました。この状況に危機感を抱いた会社では、全社を挙げて普通名称化の進行を阻止する手段を講じることとなりました。先ず、凡ての商品やパンフレット、宣伝媒体に「シーチキンは、はごろもフーズの登録商標です。」の文言を入れるようにし、同社から購入した商品を材料として作られた加工品にシーチキンの表示をする場合にも同様の表示をして貰うこととしました。コンビニで購入したおにぎりでこの表示を目にした方も多いと思います。同時に、岩波書店にこの記述の削除を申し入れ(その結果、該当箇所は次の改訂第5版で削除)、会社では所属部署を問わず全社員が協力し、日常生活の場でパン屋・寿司屋を訪れた場合でも店内で違法な使用を発見したときには、直ちに知財担当者に報告して貰うこととしました。そして、担当者から私の事務所に連絡が入りますと警告を発するという段取りが出来ました。このような対抗策を講じましたので、現時点では、「シーチキン」を普通名称と思っている人は非常に少なくなっていると思います。ところで、昨年10月、関西の業者が中国で作らせた商品に「かりゆし」の商標を付し、東京近郊の業者を介して沖縄で販売しました。この事実を知った沖縄県衣類縫製品工業組合(商標権者)からの依頼で、直ちに警告を発したところ、製造会社の代表者は「かりゆし」が登録商標であることは知らなかったと述べ、謝罪した上で、未販売の商品の回収・廃棄と若干の和解金の支払いにも応じましたので、この侵害事件そのものは年末ぎりぎりに、一応、一件落着となりました。しかし、その相手方代理人である弁理士との折衝の段階で、思いがけず「かりゆし」は既に普通名称化しているとの主張がなされました。具体的な主張は、次のとおりです。「かりゆし」は、沖縄地方で作られる半袖の開襟シャツのことです。このことは、辞書類にも明記されており、また、ネットにおいて「かりゆし」がその意味で使用されている例はごまんとあります。したがって、「かりゆし」が普通名称であることは明らかです。そうだとすれば、当社らの行為は「侵害行為」に該当するものではありません。私は「かりゆしウエア」にそのような問題があるとは全く考えておりませんでしたので軽く考え、単なる言い訳だと思っていました。しかし、上記の記載のうち、「沖縄地方で作られる半袖の開襟シャツのことです。このことは、辞書類にも明記されており……」とある部分は、非常に気になりましたので、神保町の大型書店で半日を費やし色々な辞書に当たってみました。国語辞典は種類が多いので、勿論全部は調べられませんでしたが、確かに次のような記載のある辞書がありました。【大辞泉・上巻】小学館発行787 ページ* かりゆし 沖縄方言で「縁起が良い、又はめでたい」を表す語。「かりゆしウエア」の略* かりゆしウエア 沖縄地方で作られる半袖の開襟シャツ。布地の柄には、紅型やデOKINAWA INDUSTRIAL 6FEDERATION NEWS