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概要

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健康食品素材の殺菌技術! 県内企業5社からなる健康食品製造共同体と連携して、各企業が選定したモロヘイヤ、シークヮーサー、ニガウリ等、5つの原料を対象とした、粒体の殺菌技術に関する研究を行いましたので紹介します。 管の中を通っている間に殺菌する気流式殺菌装置を用いて、過熱水蒸気を活用した殺菌試験を行いました。その結果、0.1~0.2Mpaの条件で製品規格内に菌数を低減させることができました。また、素材の物性や色調、風味、ポリフェノール含量などを調べることで、品質劣化を最小限に抑えられる殺菌条件を得る手がかりが見い出せました。 工業技術センターは、県内製造業への技術的支援を通して産業の活性化に貢献することを使命として事業に取り組んでいます。「製品の開発に関して技術的なアドバイスがほしい」、「製品の品質を上げたい」、「研究開発の支援がほしい」などの技術課題解決や新製品・新技術開発の支援が必要な場合にはお気軽にご相談下さい。沖縄県工業技術センター 企画管理班〒904-2234 沖縄県うるま市字州崎12番2 TEL:098-929-0111 FAX:098-929-0115       E-mail:kousi@pref.okinawa.lg.jp(メルマガを始めています。申し込みはHPからも行えます)       ホームページ:http://www.pref.okinawa.jp/site/shoko/kogyo/index.html①殺菌前原料 ②0.2MPa185℃ ③0.3MPa171℃④0.3MPa185℃ ⑤従来の殺菌(①と⑤はピンミル粉砕、②③④は気流式粉砕)過熱水蒸気(スーパーヒート)とは この共同研究を行うために、株式会社比嘉製茶、株式会社沖縄ウコン堂、農業生産法人株式会社仲善、金秀バイオ株式会社、有限会社沖縄長生薬草本社の5社が結集した共同体です。健康食品製造共同体とは? 実験に供した素材は、モロヘイヤ粉末、シークヮーサー搾汁残渣乾燥粉末、ニガウリ粉末、ノニ搾汁残渣乾燥粉末、蒸気処理した春ウコン粉末(耐熱性菌あり)の5素材を用いました。今回は、モロヘイヤの一部の試験結果を紹介します。素材 モロヘイヤの殺菌試験後の微生物検査を行いました。その結果、大腸菌群、酵母・真菌類は全て陰性となりました。一般生菌数は、初発菌数2.0×106 (c.f.u/g)に対し、1/1000以下の7.2×102 (c.f.u/g)前後まで菌数が減少し、殺菌効果は良好でした。これを機に品質管理室を立ち上げた企業もあります。結果①:微生物検査 下図の写真のように、従来より用いている静置型の加圧式蒸気殺菌装置での殺菌後サンプル(一番右の茶褐色)と比較した結果、緑色をかなり維持でき、0.2MPa(左から2番目)の条件で、最も品質が向上することが分かりました。このことは、色彩色差計でも確認しています。 その他、ポリフェノール含量等を分析し、品質維持と同時に、湿熱による抽出向上等の知見も得ることができました。結果②:品質評価 本殺菌装置は、県所有(健康バイオテクノロジーセンター設置)のパイロットスケール粉粒体気流式殺菌装置(型番KPU-10T-EPH、㈱大川原製作所)を用いました。殺菌試験は、充填速度30kg/h 、殺菌圧力を変えた5条件で行いました。 湿熱殺菌の基本原理は、湿らせる→殺菌する→乾燥する、の3段階からなっています(下図)。湿らせる場合、飽和水蒸気で湿らせると殺菌効果は高いのですが、その分、品質劣化が大きくなります。 本装置では、気相中で過熱水蒸気を用いることで、原料を適度に湿らせ、品質劣化を最小限にしながら殺菌し、その後、素早く乾燥するという原理です。殺菌装置と原理・実験方法殺菌前原料今回殺菌従来殺菌図の出展:(株)大川原製作所「粉粒体殺菌装置について」資料P.10、27より抜粋殺菌装置内の粉体イメージ湿らせる殺菌する乾燥する0.2MPa(185℃)OKINAWA INDUSTRIAL  24