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概要

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琉球大学工学部工学科機械工学コース・助教 石川正明連絡先: 琉球大学工学部工学科内天久和正(エネルギー環境工学コース)/神田康行(機械工学コース)〒903-0213 沖縄県中頭郡西原町字千原1番地TEL.天久和正(098-895-8624)・神田康行(098-895-8631)FAX.098-895-8636(機械工学コース・エネルギー環境工学コース 事務室)【E-Mail】kouenkai-office@ml.tec.u-ryukyu.ac.jp高速度カメラを用いた流れの可視化およびPIV計測琉球大学工学部後援会からのお知らせInformation1.はじめに 工業における様々な機器には,空気,水や油など様々な流体が関わる.それら流体の流れは機器性能に影響を及ぼすため,実験や数値解析を用いて,現象の解明や,機器性能向上に役立てている.その中でも,私の研究はPIV(Particle ImageVelocimetry: 粒子画像流速測定法)という実験的手法を利用し,現象解明や機器性能向上に努めている.このPIVは,粒子等を用いて対象とする流れをカメラ等で記録し,記録された連続した2画像を用いて,コンピュータ解析により,流速を計測する手法である.ここではこのPIVを利用した事例について,橋梁を横切る流れによる橋梁内部流れの様子について,可視化および流速計測を行った研究について紹介する.2.橋梁内部流れの可視化およびPIV結果 琉球大学工学部では,1m×1m の流出口を持つ大型風洞を保有している.その試験領域内に橋梁モデル( 実際の片側通行する橋の約1 / 1 5 スケールモデル)を設置することで,橋梁を横切る流れの内部流れの可視化を行った.風速Uは5m/sである.モデルサイズに依存するが,PIVで解析できる流れ場の瞬間をとらえるには,秒間3000枚程度を記録できる高速度カメラが必要である.図1に煙による流れの可視化を行った瞬時画像である.この連続する2画像を用いてPIV解析により瞬時の流速分布を計算した後,約1秒間(約3000画像)の平均流速分布にした結果が図2である.本実験では橋梁から水面までの距離を変化させて比較している.水面までの距離が短い場合では,橋梁下部で水面に沿った平行流が流れるため,橋梁内部の両方で反時計回りの渦流れが確認できた.しかし,水面までの距離が大きくなると,図2に示すように,左桁下のはく離と後流による下流側からの流れ込みが確認され,流れが変化することがわかった.3.おわりに 本手法は,人間の目による認知により定性的評価を行うともに,さらにPIV解析により,流速による定量的評価ができます.今回,橋梁を紹介しましたが,流れや動きを見えるように工夫することで,工学にとどまらず様々な分野にも適用できる技術です.図1 煙による流れの可視化画像図2 平均流速分布(PIV結果)OKINAWA INDUSTRIAL 12FEDERATION NEWS